父親
小さい時は照れがあって、
父親と二人でじっくり話した事はなかった。
でも週末に実家に帰って、色々と話した。
僕の父親はもう64歳だけど、
未だに職人として現場で日々働いている。
自分が仕事をするようになって、
父親の偉大さが分かるようになったと思う。
そして父親に
「今まで仕事をやってきて、
この人には絶対に勝てないという人は居た?」
と聞くと、
「居ない。」
とはっきり答えた。
その後で
「ひとつ、ひとつの仕事では
負けるなと思う人は居るけど、
トータルで負けるとは思った事はない。」
と言っていたけど、
僕は居ないと言い切った父親が
とても羨ましいと思った。
もう40年以上も同じ仕事をしているばずなのに
昔以上の情熱を捧げて、
今でも若いものにも負けないと思っている。
実際同僚の人に聞いて事があるが、
腕はあるし、クレームは父親がした仕事は
皆無に近いらしい。
この人に追いつき、追い越せる日が来るのだろうか。
そして僕は何十年も情熱を傾ける事が
出来る仕事に出会う事が出来るだろうか。
父親の事を改めて尊敬出来、
そして悲しくもあった日であった。